歯は、ケアした分だけ長持ちします。
虫歯になると、削って詰めます。これで治ったはずなのに虫歯が再発して、今度はもっと大きく削って詰める。また再発したら、神経を抜いてかぶせ物、その歯がダメになったら、抜いてしまう。そして部分入れ歯、総入れ歯へ――。

日本には歯科医院がたくさんあって、歯みがきもよくするのに、虫歯になる人が減りません。
なぜでしょうか？

歯のケアには、「患者さん自身でするケア」と、「歯科医院でできるケア」があります。歯科医院でＰＭＴＣ（歯のクリーニング）を受ければ、虫歯や歯周病が予防できることを非常に強調している歯医者さんもいるようですが、２〜３ヶ月に一度のＰＭＴＣだけで、本当に虫歯や歯周病が予防できるでしょうか？

虫歯になってから歯科医院で治療するのではなく、虫歯になる前に予防するという考え方は大切ですし、事実、虫歯や歯周病は予防が可能です。ですが、虫歯や歯周病は生活習慣病とも言えるものです。予防を人任せ（歯科医任せ）にしてしまうのは、結局、歯が悪くなってから歯科医院に行く、という構図と何ら変わりないと思うのです。

もちろん、ＰＭＴＣは虫歯や歯周病の予防に効果がありますが、予防方法の一部にすぎません。ベースとなるもので一番大切なのは、患者さんの「歯への意識」です。

当院のお話をしましょう。
梅新デンタルクリニックに年に一回でもＰＭＴＣに来てくれる患者さんは、口の中があまり悪くなっていません。
数ヶ月に一回来てくれる患者さんはなおさらです。
これは、ＰＭＴＣを受けたからではなく、患者さんの歯への意識が変わったからです。

梅新デンタルクリニックでは、治療のときに何度も、患者さんに鏡で口の中を確認してもらいます。実は多くの方が、口の中をじっくり見るのは初めて、という場合がほとんどで、歯の状態、何が問題だったのか、治療前と治療後の違いを見比べていただくと、自分の口に興味がわいてくるのです。

自分の口に興味がわくから、歯に意識が向くようになる。自然、歯みがきもていねいになるし、自分の口がいい状態か知りたくなる。そして、歯科医院でしか落とせない汚れを、ＰＭＴＣで落とすことに気持ちよさを感じていただける。

初診のときは歯医者さんが苦手で、歯が痛くて仕方ないから来院したけれど、通院している間にいつの間にか歯への意識が高くなって、今では口の中がいつもベストに近い状態を保っている。当院の患者さんは、そういった方がほとんどです。