歯はほとんど削らない、だから麻酔の注射すら必要ない場合も多く、まず痛みもないし、かみ合わせをおおきく触ることなく慎重かつ的確に調整することができます。ですから患者さんにとっての心身へのストレス(痛みとか、治療が大変で時間がかかるとか)がほとんどない、経済的な負担もごくわずかで済みます。
治療した歯は自分の歯と同じように自然に、美しく仕上げますからほとんどの患者さんが「早めに治療してよかったな」と思っていただけるようです。
そういう想いをされた患者さんが多いですから、そういう患者さんがやっぱり悪くなる前に定期的にお口のクリーニングに来られるようになっています。
こうなれば悪くなる前に処置できるので、悪くなってしまったものを「痛い思いをして、大変な治療をし、時間もお金もかかる」のとは正反対で、前向きに健康を高い状態で維持することにあらゆるリソースを使えますから、良いコト尽くめです。
実は子供のころ、私はむし歯だらけで大変苦労した記憶があります。
当時は親も「歯磨き」をうるさく言いませんでしたし、歯並びも悪く、むし歯でない歯がないくらいでした。みなさんと同じように、同じ気持ちで私も歯医者さんに通ったくちなのです。だから患者さんの痛み、つらさを本当に身にしみて知っています。私は今でも、歯並びがよくありませんので、毎食後フロス(糸ようじ)が欠かせません。
そして自分が歯医者になってみて、自分が痛い目にあって苦労したようなことを患者さんにさせたくないと想うものなんですね。やっぱり自分がむし歯で本当に苦労しましたから、「自分が受けたい治療」「自分だったらこんな歯医者さんに通いたい」ということを考えれば、歯をどんどん削って大きなかぶせ物をつめたり、神経を抜いたりしなければいけないようなことは、できるだけしなくて済むようにしたいのです。
そのためには、患者さんにも「早めに診せに来ていただく」というご協力が必要です。「自分の口の中をみてちょっと気になる、なんとなく不快感がある、痛みが少しある」程度のうちに、「早めに」、信頼できる歯医者さんに診てもらって下さい。早く診せてくれれば歯を極力削ることなく、改善させることもできます。放っておけばおくほど、「しなくてはいけない」ことが増えてしまいます。
痛みにも波があって、なんともないような気がして、「気のせいだったのかな?」、「勝手に治ったのかな?」と勘違いしてしまいますが、水面下でどんどん悪化して本格的に痛くなってしまえば自分の大切な天然の歯を大きく削らざるをえなくなって、取り返しがつきません。なんども言うように、一度削ってしまったり、抜いてしまった歯は二度と元には戻らないのですから・・・。痛いのを我慢したり、できるだけ歯医者さんに行くのを先送りするのは、我慢してえらいとか、時間もお金も得してると錯覚するかもしれませんが、あなたにとって「損」以外のなにものでもないです。
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